2025.04.03
東京都知事 小池百合子 殿
このたび、東京都知事が提案した無痛分娩への助成について、東京都助産師会としての見解を表明いたします。
私たちは、すべての妊産婦が安全かつ安心して出産し、産後の回復を促し育児に専念できる環境の整備が最優先であると考えております。したがって、無痛分娩に対してのみ公的助成を行うことには慎重であるべきだと考えます。
一つの分娩方法への助成を行うことは、妊産婦の選択を狭める結果となる可能性があり、正常分娩や助産院での出産、帝王切開など他の出産方法との公平性を欠くものとなりかねません。すべての出産方法にはそれぞれのメリット・デメリットがあり、妊産婦自身が十分な情報を得た上で、自身にとって最適な方法を選択できることが何よりも重要です。
したがって、私たちは東京都に対し、特定の分娩方法のみに助成を行うのではなく、すべての出産に対して平等に助成を行う制度を整備することを強く求めます。妊産婦一人ひとりが安心して出産を迎えられるよう、多様な分娩方法の選択肢を尊重し、妊娠・出産・産後そして育児と包括的な支援体制を構築することが必要不可欠です。
東京都助産師会は、今後もすべての妊産婦の安全と継続的なケアを受ける権利を守るため、妊娠・出産・産後・育児のあらゆるステージにおいて継続的かつ適切な出産・育児環境の整備に向けた提言を続けてまいります。
※注釈 無痛分娩は麻酔によって痛みを和らげるもので、多くは完全に無痛ではありません。そのため、より正確には「麻酔分娩」と呼ぶべきです。
令和7年3月28日
公益社団法人 東京都助産師会 代表理事 宗 尚子